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血管新生療法について
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bFGF徐放化ゼラチンハイドロゲルを用いた重症虚血下肢に対する
血管新生療法について
「下肢末梢性血管疾患に対する生体内吸収性高分子担体と塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)を用いた血管新生療法の、臨床効果および安全性に関する臨床試験」
この臨床試験では、今までの治療法では治療が難しく、きわめて近い将来に足を切断することから逃れられない慢性閉塞性動脈硬化症およびバージャー病の患者さんを対象に、bFGF(塩基性線維(えんきせいせんい)芽(が)細胞(さいぼう)増殖(ぞうしょく)因子(いんし))含有ゼラチンハイドロゲル細粒の安全性と効果を調べることを目的としています。
臨床試験とは?
「新しい治療法」が一般的な治療法として認められるようになるまでには、「新しい治療法」の候補に効き目があり安全であることを確かめる必要があります。多くの場合、動物で試験を行った後に、人を対象とした試験が段階を踏んで進んでいきます。最初は少数の健康な成人もしくは患者さんを対象に安全性を確かめたり、どういった方法が最も効果が高く、また副作用が少ないかを調べる試験を行います。こういった人を対象とする試験を「臨床試験」といいます。現在使われている一般的な治療は、これまでに大勢の患者さんのご理解とご協力のもとにおこなわれたさまざまな臨床試験の成果から生みだされています。
下肢末梢性血管疾患とは?
今回の試験では「慢性閉塞性動脈硬化症」と「バージャー病」を対象としています。慢性閉塞性動脈硬化症は動脈硬化(動脈の壁にコレステロールなどが沈着し血管が硬くなり、弾力を失った状態)が原因で足の動脈が狭くなったり、つまってしまうことにより、足の血の流れがわるくなったり、歩行時の足の痛みや安静時の痛み・冷感、潰瘍(皮膚の損傷)、壊死(組織や細胞が死んでしまうこと)など足の虚血症状(血の流れが悪くなる状態)の病気です。
バージャー病は原因不明の四肢末梢血管炎(手や足の先の血管炎)のために手や足の先の血管がつまる病気で、閉塞性血栓性血管炎とも呼ばれています。この病気の発症や悪化には喫煙が強く関係しており、閉塞性動脈硬化症と同じような虚血症状がおこります。
いずれの病気も安静時にも虚血による足の痛みがある場合や足の潰瘍を有する場合は重症下肢虚血と呼ばれています。虚血が進行して潰瘍が出現し、さらに壊死が進行して、いろいろな治療も無効な場合には足の切断となります。現在の治療法では毎年国内で数万人の患者さんが足を切断していると推定されています。
血管新生療法とは?
足を切断する可能性が高い重症下肢虚血の患者さんに対して、虚血部の近くの組織から血管新生(新しい血管ができること)および側副血行(太い血管同士をつなぐバイパス血管)の発達を促し、血の流れを良くすることにより下肢の虚血や壊死を減らそうとする血管新生療法という試みがなされています。
bFGF含有ゼラチンハイドロゲルとは?
bFGFのような血管新生タンパクは体内ではすぐに分解されてしまうため、私たちは血管新生タンパクを十分かつ必要期間作用させることができるゼラチンハイドロゲルを開発しました。ゼラチンを化学処理してゼラチンハイドロゲルを作製し、それを注射薬にするために細かくしゼラチンハイドロゲル細粒を作製します。それは体内で分解され、それに伴いハイドロゲルに含まれたタンパクがハイドロゲルからゆっくりと放出され効果を発揮します。
この方法の最大の利点はゼラチンハイドロゲルが体内で分解されるため、安全性が期待できることです。また目的とした場所にのみこれを注射するので、その場所だけで効果が発揮されるため全身における副作用の心配が大幅に軽減できます。さらに細胞移植治療や遺伝子治療と比べて患者さんに投与する苦痛が少なく、方法が非常に簡単であり、費用が他の治療法と比べて安いことも大きな利点です。
bFGFは血管新生タンパクであり、市販品のフィブラスト®スプレー(一般名トラフェルミン)という薬を使用します。ゼラチンハイドロゲルはゼラチンの会社から購入したゼラチンを院内の薬剤部で化学処理をして作製します。作製工程はすべて国が定めた基準に準じた方法で作製します。
試験への参加ができる方
20歳~80歳の方で慢性閉塞性動脈硬化症またはバージャー病と診断されており、かつ安静時にも下肢疼痛または皮膚潰瘍がある方が対象となります。薬物治療・カテーテル治療・外科的手術が適応となる患者さんは、まずそちらの治療を行っていただく必要があります。がんの治療中、維持透析中、感染の有無など治験に参加できない条件もあります。
試験の実施期間と症例数
この試験の実施期間は3年間で、10名の患者さんに参加していただく予定です。
臨床試験に関する詳細は心臓血管外科外来で説明させていただきます。かかりつけ医からの紹介状をご持参いただき、お待たせする時間を最小限にしたいため、あらかじめ予約をお願いします。
京都大学附属病院 予約専用
心臓血管外科外来受付 075-751-4460
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